GOEMON ROCK 五右衛門ロック
2008年7月8日-28日 新宿コマ劇場
2008年8月8日-24日 大阪厚生年金会館 大ホール

作:  中島かずき
演出: いのうえひでのり
作詞: 森雪之丞
美術: 堀尾幸男
音楽: 岡崎司
振付: 川崎悦子

CAST
石川五右衛門 古田新太
真砂のお竜 松雪泰子/カルマ王子 森山未來
岩倉左門字 江口洋介
ペドロ・モッカ 川平慈英/シュザク夫人 濱田マリ
ボノー将軍 橋本じゅん/ インガ 高田聖子
ガモー将軍 粟根まこと

クガイ 北大路欣也

アビラ・リマーニャ 右近健一
逆木圭一郎/河野まさと/村木よし子/山本カナコ/磯野慎吾/吉田メタル/中谷さとみ/保坂エマ
飯野めぐみ/蔦村緒里江/NAMI/角裕子/福田えり/葛貫なおこ/早川久美子/鈴木奈苗
蛯名孝一/安田栄徳/青山航士/古川龍太/武田浩二/藤家剛/矢部敬三/工藤孝裕/根岸達也/加藤学

BAND
岡崎司(ギター)/高井寿(ギター)/福井ビン(ベース)/岡部豆(ドラム)/松田信男(キーボード)/松崎雄一(キーボード)

DVD 新感線☆RX『五右衛門ロック』
 イーオシバイ・ドットコムで発売中 
standard edition: 品番 EODV031 / price: \6800(税込)
special edition: 品番 EODX006 / price: \8500(税込)

MEMO

 石川五右衛門が実は釜茹での刑から逃れていた、という破天荒な設定で始まる、冒険活劇調の楽しさがいっぱいの作品でした。
 全編をユーモアのセンスが流れてはいますが、五右衛門の辞世の句「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」を展開するように、謎の「月生石」をめぐって人の欲の測り知れなさをまざまざと見せつけます。特に大航海時代に先進国だったスペインの商人の謀略には、現代の先進国の経済的支配と横暴を思わずにはいられません。豪華キャスト・豪華衣装・豪華舞台装置とどれをとっても話題は尽きませんが、脚本の素晴らしさが忘れられません。
 さて『森羅』で青山航士さんが和物でロックを踊る素晴らしさを知っているファンとしては、もう少しダンスもへヴィメタルな感じでいいかな、と思いましたが、一幕のタイトル曲で見せるダンスは人間リズムマシーン青山航士の面目躍如です。クガイの宮殿シーンでの両性具有的なダンスや、シャープな殺陣も素敵でした。次はぜひ「三忍者」調の殺陣とダンスの融合を見てみたいですね。





この作品でファンとして嬉しかったのが、インガ役の高田聖子さんが毎回青山さんに質問をする日替わりネタがあったことです。いのうえひでのりさんの演出は音楽と芝居の進行を緻密に合わせ、アドリブを入れる隙があまりないだけに、予想もしないプレゼントを受け取った気がしました。
 お茶会で青山さんにあれは本当にアドリブなのか質問したところ、「そうです」とのお答。稽古中もずっとあったこのコーナー、開幕直前のリハーサルではやらなかったので、やっぱり本番ではやらないんだ、と青山さんが思っていたらゲネプロで復活し、その後大千秋楽までぶっつけ本番で続いたそうです。
 高田さんは某日本有数名刹のお嬢さんで、後継者問題に触れるかという質問もあり、青山さんは毎回どんな質問が飛んでくるかとドキドキしていたそうですが、限られた時間でウイットと愛にあふれた質問をしていただき、おかげさまでファンとしての基礎知識(?)をつけることができました。有難うございました。
 大阪の学生演劇界の雄だった劇団新感線が東京に行った時には賛否両論だったそうですが、こんな大きな芝居がやりたかったんだなあ、と往年のファンの方も納得がいったのではないでしょうか。東京公演会場の新宿コマ劇場は東京進出したころに「いつかこんな大きな劇場で公演がしたい」といのうえさんたちが語り合った劇場なのだそうです。その劇場の閉館のはなむけに自分たちの公演がかかるとは、その時は思っておられなかったでしょうね。