THE BEAUTIFUL GAME
ビューティフル・ゲーム
2006年3月27日-4月15日 青山劇場
2006年4月23日-26日 NHK大阪ホール

音楽: アンドリュー・ロイド・ウェバー
 Andrew Lloyd Webber
脚本: ベン・エルトン Ben Elton
演出・振付: ジョーイ・マクニーリー
 Joey McKneely


CAST
ジョン・ケリー 櫻井翔/メアリー・マガイア 安良城紅

トーマス・マロイ 山崎裕太/ダニエル・ギレン 黒田勇樹
ジンジャー・オショーネシー 脇知弘
デル・コープランド 安倍康律/バーナデット 遠藤麻綸
青山航士/近藤大介/坂元宏旬/佐々木誠/下道純一/野島直人
羽山隆次/原口勝/原田優一/宮川ギナ/横田裕市/横山敬
浅野美奈子/五辻彩子/紀元由有/栗原由佳/谷合香子/樋口綾

MEMO

 舞台は1969年、アイルランドのベルファストの街から始まります。世界中でロングランを記録した『キャッツ』『オペラ座の怪人』の作曲者・ミュージカル界有数のヒットメーカーとして知られるアンドリュー・ロイド・ウェバー入魂の作品で、アイルランドにおけるプロテスタントとカトリックの対立という重いテーマが、ウェバー卿ならではの美しいメロディで綴られていました。サッカーを愛する一人の青年が武装集団IRAの一員となり、投獄される物語に、直接のモデルはないとされていますが、当時の獄中で拷問の末に絶命した若者たちへの鎮魂歌のようにも思われます。
 日本公演中にもイギリスのスパイだった元IRA幹部が殺害されたり、閉幕直後にも、作品中のジンジャーのように罪もない15才のカトリックの少年が殺害されたり、私たちが今生きている「現代」の問題であることがひしひしと感じられました。
 初演は2000年9月のロンドン、ケンブリッジ劇場ですが、日本版はかつて『スターライト・エクスプレス』でウェバー作品に出演した、アイルランド系とおぼしきジョーイ・マクニーリーさんによる演出・振付で、一から日本で創り上げられたバージョンでした。作り手の想いのこもった、本当に貴重な公演だったといえそうです。
 また、『ボーイフロムオズ』の再演・再々演はありますが、青山さんが出演した「ジョーイ・カンパニー」の作品はこれが最後になっています。次の機会がありますように。





 A.L.ウェバーならではの美しいメロディに加えて、サッカーの試合をダンスで表現した「決勝戦」が圧巻でした。セットはゴールだけ、舞台空間をフルに活かしたダイナミックなダンスは世界のどこに持って行っても通じることと思います。青山さんの力強いスローモーションや、大鷲を思わせる豪快なジュッテ・アントルラセが今も目に焼き付いています。マクニーリー振付作品を青山さんが踊ると、やはり見ごたえがありますね。
この決勝戦は青山さんたちのチームが櫻井さんにゴールを決められて負け、悔しがる、という展開だったのですが、お茶会で聞いたお話では本物のボールを使用したため、本番中思わぬ方向にボールが行くことがあり、大変だったそうです。でもファンとしてはそのクライマックス直前、青山さんがスライディングしてボールを奪おうとする動きをスローモーションで表現し、これがもう本当に観客の時間の感覚をグーッと抑え込むような見事さだったので、ボールの行方は目に入っていなかった・・・かも。フィギュアスケートみたいに採点競技なら、あのスライディングは技術点も芸術点もフルマークです。